しばらく、ブログがご無沙汰になってしまったので、思い出話を書こうと思います。
11月10日から12日まで、Work shopがありました。 私が今働いているのは、AIMSといって、 Assessment, Information Systems, Mornitoring and Statistics というところで、カナダにあるUIS (UNESCO Institute for Statistics) という、教育統計を専門にしている組織があって、そことアジア地域の中継役をしている。 それで、今回は、UISからファシリテーターが来て、アジア太平洋地域から集まったたくさんの参加者に対して、講習会を行った。 今、Education for All (万人に教育を,日本語だと、ちょっと不思議) という動きがあって、 世界的に就学率を上げたり、成人の識字率や教育の質を上げる活動をしている。 そのなかで、どのくらい活動が進んでいるのか、効果があったのかを図るには、 いろんな指標に対するデータを集めないとならない。 指標には、就学率とか、学齢期の児童数に対する就学率とか、識字率とか、 一人の先生に対して、生徒数は何人になるのか?とかいったものがある。 それらのデータを国ごとに集めて、UNESCOは毎年報告書を出している。 その、データを集めたり、データ自身をどうしたら発展させられるかを考えるのが、 このUnitの仕事。 この、Education for All というのは、1990年に始まり、今は2015年を目指している。 それで、2005年にひとつ大きな区切りを迎えたので、今はその報告書の発行で忙しい。 でも、もちろんそこにもいろいろ問題がある。 その一つが、各国の教育データがなかなか集まらないということだ。 何人の子どもが実際に学んでいるのか、何人の児童が中途退学をして、 何%の割合で、中学校に進み、大学まで学んでいるのか? 男子と女子の割合は? 等々、数え上げればきりがないほど指標がある。 そして、そのデータを持っていない(報告できない)国がたくさんある。 それぞれのデータは、UISのホームページから閲覧できるんだけど、 確かに、出ていないデータがたくさんある。 それぞれのデータを、どう考えるのかというのが分析なんだけど、 その分析をする前に、データがなければ、何も始まらない。 そのデータを充実させるために、今回のWorkshopがあった。 計25以上の国から、1人か2人の参加者が来ていた。みんな国の省庁で働いている人達。 私が、初めて出会った国の人もたくさんいた。 パプアニューギニア、モルジブ、パキスタン、バングラディッシュ、ラオス、ブータン等々 その、いろんな国の参加者が、時間をかけて仲良くなっていく様子は面白かった。 私が特に印象に残ったのは、 現在の問題点、UISに望むこと。という題でのディスカッション。 そこでは、同じレベルの省庁同士の連携が足りないこと。 県レベルでのWorkshopをやってほしい。 省庁が違うと、情報を提供してもらえない(人口に関するデータ等)。 まだ、国際基準に国のシステムを合わせて分類できてないので、データが出せない。 等々、いろいろありました。 そこで、私が感じたことは、いろいろあるんだけど・・・ 同じアジアの国でも、いろんなレベルがあって、いろんな考え方があるし、 その上での共通点もある。 でも、まだ、その国がどうして統計データを集められないのか、 わかっていない人がいるのではないか?? もっと、国レベルのユネスコの職員と連携したらいいのではないか?? 等々ということ。 例えば、教育省の役人が、各県に教育統計データを出しなさいと通達を出す。 でも、その通達を受けても、県の教育省事務所はデータを出さない。 この時、国の役人は「県が悪い」と思ってしまうかもしれないんだけど、 本当は、県の役人が、小学校にデータを出せといっているのに、小学校の先生のレベルで、 どのデータが望まれているのか把握できていなかったら、そこから上に上がらない。 もしかしたら、小学校のレベルで、データ自体を管理していないかもしれない。 もしくは、県で各小学校から集まってきたデータを統計できるシステムができていないかもしれない。 県事務所のパソコンが、古くて、エクセルも使えないのかもしれない。 そんな風に、「なぜ、○○国の教育統計データの報告が来ないのか」ということに対する 本質的な答えは、その国によって、地域によって、事情が違うんだと思う。 その辺を、各参加者が本当に客観的に見つめられていたのかはちょっと疑問でした。 そういうのって、どうしたら各人が分析できるようになるんだろうね?? 後感じたのは、インドはすごいということ。 というプロジェクトがあって、そこでは世界で15カ国が選ばれて、 その国で、現在の教育統計データよりもより詳しい統計を出す試みがあった。 そのプロジェクトを中心的にやっていたのがインドの国立教育政策大学というところ。 そこでは、全ての小学校の超詳細なデータを編集した冊子を出していたり、 インドの教育に関する報告書なんかもしっかりと作っていた。 いやいや、この徹底ぶりは本当にすごいと思ったよ。 今回は、そのプロジェクトの中心となっていた先生が発表していたんだけど、 その様子も、また、勢いがあってすごかった。 いやいや、いろんなことを感じた3日間でした。
by fujika0316
| 2008-11-25 10:48
| UNESCO Bangkok
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