リベンジ

11日水曜日、ボカ コスタ (Boca Costa)地域に講習会に行ってきた。
この地域、ソロラ県内と言っても、ソロラ市から車で3時間、
公共機関を使うと、乗り継ぎの時間もかかるので4時間はかかる。

2月中旬に、教育技術官たちと会議を持ち、3,4月の講習会の日程を決めた。
3月2日から始まった講習会、先生たちのストライキのせいで残りの3月分は延期。
つまり、8地域が延期になった。
そして、セマナサンタが終了した後のこの1週間、ボカ コスタ地域の3つも、
延期になっていたはずだった。
でも、火曜日に書類を私に教育技術官たちが集まっていたところに行った時、
その地域の一人の教育技術官が「明日、講習会よね??」と。
「え? 延期になったんじゃないの?」と聞いたら、
先生達に書類を送ったのはストライキ前。その後、授業が再会し、今は普通の状態。
それから、講習会延期の通知書類は送ってないので、もし先生たちが覚えていたら、来る。
とのことだった・・・・。

その日の午前中は、環境教育委員会の会議。
そこでも、ボカ・コスタ地域は延期になったと確認したばかりだったのに・・・。
その地域は、距離的にも遠い上に、内戦の影響もあって、先生たちも気難しい。
実は、去年行ったときも「この地域には市役所を始め、どこの団体からも援助が来ない」
と、苦情の嵐だったのだ。
環境団体をはじめ、私のカウンターパートも行きたがらなかった。
でも、私は決めた。「一人でも、車がでなくても、行く」と。
そんな、誰も注目しない地域だからこそ行こうと思ったし、
先生たちが、一人でも待っていてくれるなら、行こうと思った。アンケートもしたかった。
あの時の先生たちにも、もう一度会いたかった。
ここで会わなかったら、一生会えないかもしれない。

結局一人で行くことに。朝、5時半の始発で出発。何時に着けるのか・・・。
強盗が多い地域なので、パソコンは持っていかない。
環境委員会の情報交換、リサイクルの話と、環境の替え歌のグループワークをしようと思う。
そう、前回ある一人の先生が「地球への手紙」のコピーをくれた。
これは、去年の地球の日にその学校で「手紙コンクールをしたそうだ」そのコピー。
その時、こんな村でも、先生たちが自分の場所で頑張っていることに感動したのだ。
それも、みんなに紹介しよう。 少しわくわくしている自分がいる。

11日朝、4時半起床、5時半出発、ところが「バスが来ない」
「今日は、水曜日だから6時発だよ」 あらら。  ま、しょうがない。
その後、色々ハプニングはありつつも、何とか学校に着いた10時。やっぱり4時間か。
先生たち、怒っているだろうな・・・。 もしくはもう解散しているか・・・。

なんと、先生たちは残ってくれていた。良かった・・・・。
先生たちが教室に集まってきた。挨拶をする。
前回、手紙をくれた先生もいた。
先生たちの機嫌は・・・。まあまあ。

始まりの挨拶、自己紹介、そして「チョコレート」を渡す。遅刻することがわかっていたので、
日本から、親が持ってきてくれていたチョコレートを渡そうと思って持ってきた。
これが、効果覿面。はい。物で、食べ物で釣りました。ごめんなさい。ま、結果オーライ
先生たちの機嫌もかなり良くなってきたところで、一人ひとりの自己紹介。
名前、学校、そして、自分の学校でどんな活動をしているのかを発表。
私は以前に提出してもらっていた計画書と照らし合わせながら、会話しながら聞く。
こうして、紙だけの計画書が、目の前に本人がいるだけで生きてくる。
やっぱり、直接会うこと、その場に行くことは何て大事なんだろう。

先生たちのコメントだと、やっぱり学校での一番の問題は「ごみ」
と言うことで、リサイクルの話。新聞紙で紙鉄砲を作って、その後新聞紙のかごの紹介。
リサイクル工作についても話をする。沢山の例を持って来れなかったのが残念。

その後、必殺オカリナを演奏。
「幸せなら手をたたこう」の音楽に合わせて体を動かし、
ちょうちょの歌をみんなで歌う。先生たち、子どもみたいだ。
その後、グループに分かれて替え歌を作ってもらう。
外で練習したいグループも出てきて、なかなか楽しそう。オカリナにも興味津々。
なぜか、リコーダーを持っていた先生もいた。

その後、発表の時間。なかなか、個性が出ていて面白かった。
動作をつけながら、衛生と健康について歌ったグループもいた。
私が、気の聞いたコメントができなかったのが反省点。もっと褒めれば良かった。

それぞれが発表して、最後に私のオカリナの演奏。
「上を向いて歩こう」「カントリーロード」
私が泣きそうだった。涙がこぼれないように、上を向いて演奏した。
最後「環境教育は愛だ。自分の村への愛、自然への愛、地球への愛、家族への愛、
子ども・生徒達への愛、全てに愛情があるから、環境を守りたいと思う。
だから、皆さんも地球や自然への愛情を持って、困難があっても続けて欲しい」と語る。
先生たちが、真剣な顔で聞いてくれた。うなずきながら聞いてくれた。
あぁ。泣きそう。

前回の苦情ばかりの講習会とは変わり、とても良い雰囲気で終わることが出来た。
最後にアンケートの時間。みんな一生懸命書いてくれた。
そして、挨拶をして終わった。遠かったけど、来て良かった。本当に。
その後、その地域の教育技術官と話す。
彼女はインディヘナのおばちゃんで、家はシェラと言う町にある。
でも、仕事のために部屋を借りて平日は住み込みで働く。単身赴任っていうのか。
彼女が、ぽろっと仕事の大変さを嘆いた。
確かに、この地域にいたら、会議のために、ソロラに来なければならないし、
電話も通じない、交通手段も発達していないこの場所では、想像を超える大変さがある。
しかも、彼女は秘書がいないので、全ての仕事を一人でこなさなければならないのだ。
「先生たちが協力的なおかげで、なんとかなっている」と彼女は言う。
大変な地域だからこそ、お互いの大変さを思いやることができるのかもしれない。
偏見の眼で、先生たちを見るのはやめよう。
これからは、ソロラでの講習会、会議に来てくれた教育技術官達の苦労をもっと尊敬しよう。

その後、マサテナンゴと言う町で先輩隊員の事務所をちょっと見学させてもらった後、帰る。
帰路、乗り換えの待ち時間に、アンケートを集計する。
100%の先生たちが「これからも環境委員会を、学校内で発足させたいですか?」
との質問に、「はい」と答えてくれていた。嬉しかった。
結局家に着いたのは、6時半だった。
でも、それでも疲れ以上にすがすがしさが残る一日だった。
by fujika0316 | 2007-04-13 00:38 | 近況
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